鉄欠乏性貧血の診断方法は?〜病院での検査や計算方法〜

貧血という言葉は広く浸透していますが、それは具体的にはどういった状態なのでしょうか。
ここでは、鉄欠乏性貧血の診断をする方法にはどんなものがあるのかを説明します。

 

全血球計算

鉄欠乏性貧血は、血液中のヘモグロビン濃度などを調べて診断されます。
その際、最も多く用いられるのが全血球計算です。
この診断では血液中の赤血球、白血球、血小板といったすべての細胞成分を調べることができます。
この検査を行う装置は、ごく少量の血液で1分以内という短時間で検査を終えることが可能です。
場合によってはこの検査を補完するために顕微鏡で血液細胞を精査することもあります。
全血球計算では血液中のヘモグロビンの量や赤血球の大きさの平均値、変動幅、ヘモグロビン含有量なども測定され、異常な赤血球の有無まで判定できます。
ヘモグロビンの量が少なく、赤血球の大きさも小さい場合は鉄欠乏性貧血が疑われますし、赤血球の形が大きい卵型の場合は葉酸かビタミンB12の欠乏による貧血の可能性があります。

 

血清鉄検査

血清鉄は、血液中の鉄の量を調べる検査です。
体内の鉄分の2/3は赤血球の中のヘモグロビンに、1/3弱は肝臓にフェリチンやモジデリンの形で貯蔵されています。
この他の血液中に存在する血清鉄は、0.1%程度とほんのわずかな量ですがこの量を調べることで貧血の診断を行うことができます。
血清鉄が低ければ鉄欠乏性貧血や慢性疾患が疑われますし、血清鉄が高ければ肝障害や再生不良性貧血の可能性が考えられます。

 

鉄結合能

血液中に存在する血清鉄はトランスフェリンというタンパクと結合した状態で存在します。
トランスフェリンというタンパクは、およそ1/3が鉄と結合しており、残りの2/3は鉄と結合せずに血液中を漂っています。
鉄結合能は、このトランスフェリンがどれだけの鉄と結合できるかを表します。
つまり、トランスフェリンの量の増減を示すのが鉄結合能です。
トランスフェリンは体内の鉄が不足すると、消化管から鉄の吸収を高めるためや鉄を効率よく運ぶために増加するのです。
つまり、この数値が高くなると鉄欠乏性貧血と考えられます。